日本の小学校教育について小学校教員に相談してみた
香港の小学校教育の洗礼を受けた3ヶ月。実際に完全帰国も検討して夫と何度も話し合いました。夫は、この点ではあまり頭が固くないようで「それも一つの選択肢」という感じでした。いつも大体そんな感じです。無理に心を壊してまでいる必要もないし、というような。
私としては「帰らない!」でも「もう帰ろう!」でもない白か黒か決めないスタンスの夫に助けられています。だからこそ「もう少し頑張ってみよう、いつでも帰れるし」と心が軽くなる気がします。私が傷つき過ぎると「もうこんな学校明日から行かなくていいよ!」と投げやりに味方になってくれるのも有難い。苦笑
私をよく分かってらっしゃるね。
海外暮らしの私たちにとってとても心強いのが、義弟が日本の小学校教員で、実兄が中高の教員であるということ。小学校から高校までの現在の教育状況や子どもの状況を知ることができます。私自身と娘の性格を叔父という立場で知りながら、日本の教育の現場のメリットもデメリットもフラットに教えてくれる存在が貴重です。
どちらが良いとか悪いとかではなく、私が現在悩んでいて香港の教育の厳しさを目の当たりにし、日本人家族であるが故に帰国も考えられることから、教員である兄弟に相談したことについて書きたいと思います。
日本人学校に行けば良いんじゃないの?問題
香港での教育を比較的プラスに考えていたにも関わらず、思ったより過酷である現実に打ちのめされていたこの頃。夫婦共に日本人だから日本に帰ることも頭をよぎりました。香港に日本人学校もあるじゃない?という声が聞こえてきそうなのですが、なんかそういう問題じゃないんですよね。(わかる人にはわかるかもしれません)
香港で日本人学校に通うならもう日本に帰る、と思ってしまいます。日本人学校がどうこうと言いたいのではなく、駐在でもなく現採で、しかも香港が大好きで自分たちの選択で住んでいる香港。ブログタイトルの通り「日本語が綺麗なマルチリンガル 」を育てようと生活してきたので、日本人学校に入る、すなわち帰国と何が違う?という考えに私はなってしまうのです。日本人として育てるなら、日本で育てるわ、と。海外の日本人学校なら国際的でしょ!?となるかもしれませんが、日本人学校に行けばほぼ現地の言葉は習得できないし、それでも頑張って習得しようとするなら、じゃあなぜローカルスクールに行かない!?行ってて転校したんだろう?と。。そのループに心がついて行かない気がしました。
うん。気持ちの問題が大きいです。私自身の。
海外に10年もいるから帰国も怖い事実
まずよく考えなければ行けないのが、日本の学校に行けばオーライでしょうか。私たち家族が日本で暮らす。夫は40歳ですが、海外歴が20年近くになります。半分は海外。
ここはなんとかなるとしても、子どもたち。子ども二人は日本語は問題ありません。しかも帰るならタイミングは今なのです。なぜかというと、9月からP1(小一)に娘はなりましたが、本来はまだ年長で来年の4月から新一年生です。
今帰国すれば一年生から日本の学校に溶け込めます。
それはそうだとしても、
- 日本なら友達と問題がない?
- 日本なら親同士の問題がない?
- 日本なら学校が完璧?
ここはわからないですよね。それにプラスして、
- 登下校は子どもたちだけなの危なくないかな
- ランドセル重い(当たり前だけど考えちゃう)
- 私は小学校時代決して楽しくなかったな
- 現在の英語教育はどうなっているかな
他諸々不安なことが出てきました。
まず、自分が小学校時代決して楽しくなかった。男子との間も女子との間も、面白くないことがあったな・・・。その時の先生はどんな対応をしてくれたかな?など色々蘇ってきました。
問題は帰国することで解決するのか
今抱えている問題は帰国することで解決するのか。その点についてもう少し深く考える必要があると感じました。
知っているんです。海外にいると帰る場所があるから現実逃避といえば「日本に帰る!」なんだよな、と。ある意味最悪なことが起きても、それを心に頑張れたりもしますよね。
日本にいた頃は、香港が好きだったからプライベートや仕事で嫌なことがあると「私には香港がある!」と香港関連のものでよく浸っていました。それが私の現実逃避でした。
ただ、今回のことは子どもの将来にも関わってきます。子どもは大丈夫なのに私が耐えられないからと、帰国してしまって良いのだろうか。
小学校のことは小学校教員に聞くのが一番だろう
そこで、信頼する義弟にLineしてみました。
海外に住んでいる人が特殊なこともわかっているので、色々遠回しに言いながらもかなり切羽詰まっていた状況なので「病みそうなんですけど!爆」とわーっと長文を打った気がします。
北海道から沖縄まで一定の教育がされているのが不思議
これは日本に住んでいた時は何の疑問も持っていませんでした。足並みを揃えるというか、みんな同じで安心するというか、平等という言葉が合っているのかはわかりませんが公立の小学校は北海道から沖縄まで一定の教育ですよね。
これまた良し悪しとかではなく、単なる違いのお話です。
東京ほどの香港は、ローカルスクールでも全く違います。設備も違います。教育で使用する言語が違います。教育の内容が違います。宗教の有無があります。ランキングがあります。受験とまではいかないけれど、本当に行きたい小学校があれば門を叩いて試験をします。
それぞれの特色があるので学校は生徒を集めるために日本の私立校のような学校案内を作って呼び込みます。
ここの疑問点を義弟に質問してみました。丁寧に親身に答えてくれました。
(ありがとう義弟! ※義弟なのに年上だけど!!爆。姉気取りしてすみません)
北海道から沖縄まで一律?
日本の教育は、文部科学省が出している「学習指導要領」をもとに全国の小中学校で行われている。基本的にどの学年でどんな学習をというのは統一されている。それを各都道府県の教育委員会が多少変更しながら具体的な指導方法を提示して各学校で実施をする。
地域や学校の特色があるので全く同じにはならないが、ある程度はこの「学習指導要領」に沿っているとのこと。
英語教育は進んでいるか?
進んでいるというほどではない。小学校英語はコミュニケーション中心の慣れの英語で英語を習っている子は余裕で、習っていない子は若干置いてけぼりになる。
国際理解教室なども年に数回あるが、「異文化理解」のような大々的なものではないだろう。
一年生に宿題はあるか?
一年生にもある。学年で共通の内容で、ひらがなの練習や日記を親のコメント付きでやるなど。
最初の3ヶ月はとにかく学校生活に慣れる、を目標にしている。
義弟の感想と私の相槌w
香港は聞く感じかなりすごいのだろう。(いろいろって意味)
もうすぐ2年生の学年だってまだお猿さん。(ですよね!!)
ただ、教えたことができるようになるのは子どもは早いので、優しくもしっかりと指導されているクラスの子どもはできるようになり、指導が甘いとまとまりが弱い、みたいな実態は少なからず日本の学校でもあるのが現実。(あ〜、想像つく)
小学校に上がってからの親の心構えについて
ここで二児の父親でもある義弟が、親の立場としても色々と考えを共有してくれました。
幼稚園から小学校に上がって厳しく感じるのは普通
日本でも幼保から小学校に上がって
- すごく厳しく感じる
- こんなに対応してくれないの?
と思う保護者は多いよう。幼保と比べると小学校は「ミニ社会」だから一人一人につきっきりにはなれないし、やらせることも多いから一斉指導が基本。
幼保と比べると冷たく感じるかもしれない。
↑
こーれーだー!!
まさに私が感じていたものの一つがこの「冷たさ」だったのかもしれない。今までは幼稚園でハンカチを落としても「これは(娘)の?」と聞いてくれたし、マスクの替えがバッグに入ってなければ優しく電話をかけてくれていたし!
一つ一つ出来ないのが当たり前で安全を見ながら付き添ってくれていました。
(今思うと土下座したいくらい感謝)
小学校に入ってからは、何か忘れようものなら「今日(娘)が○○を持ってきていませんけど!」「今日は体育の授業で走り回っちゃいました!」
えーっと、えーっと、「それができると思ってるの!!!???」って心の中で反応してしまっていたのが私の率直な行動。
まさに、適応できていないのはわ・た・し・だったんです。(はい、知ってましたけど)
他にも
香港の先生が逐一色々報告する意図はわかないけれど
- 出来ていないから家庭でも指導して
- 今の様子を知っておいて
なのか、色々とパターンは考えられるね。
厳しくとも成長は桁違いかも?
義弟曰く、聞くところによると香港はかなり厳しい指導方法を行っている模様。でも、その分成長は桁違いになると思いますよ!とのこと。
義弟曰く、日本の公立校は、今や保護者に言いたいことがあっても伝えられない時代になってしまってはいる。それで子どもの指導・支援をなあなあにしてしまっている現状がある。
娘がたくましく、楽しく通えているなら大丈夫だと思う、とのこと。
そして、今後もし娘がしんどく感じるようになったら再考して、と。
(ですよね!)
親の立場だと
- 言われたからやらなきゃ
- うちの子はできていないんだ
と思いがち。でも一年生だからこれからどんどん成長していく年齢。個人差はあるが、今はできなくてもいずれできるようになるから大丈夫。それでもできない部分があればその部分だけ支援してあげて。
- できることをたくさん褒めて
- できないことを責めずにどうしたらできるか色んな方法を一緒に考えて
とアドバイスをもらいました。
ビバ義弟!
本当に旦那の弟!?笑
香港と離れるのは、永遠に離れるを意味する、気がする
香港と離れられるか、私。
夫にも話しましたが、もしも香港を離れてしまったら香港を封印して生きなければ生きていけないと思います。
香港を一切見ないで、今までを封印しなければ私は日本では生活していけないと思います。二度と旅行でも帰ってこれないと思う。
もし旅行にでも来たら、号泣してしまう。
それだけ私にとって、香港は大切で大きいのです。香港なしの人生は考えられない。
だからこそ、もし香港をこんな自分の弱さの理由で離れたら二度と香港に触れることはしないでしょう。自分を守るために。